カテゴリ: 【街の食事処を訪ねて】

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現在の店舗。入口の扉には、松葉が紹介されてある
『まんが道』(藤子不二雄自伝)の一部が貼られてある

 
 かつて手塚治虫、寺田ヒロオ、藤子不二雄ら日本を代表する漫画家たちが居住し腕を磨いた伝説のアパート「トキワ荘」
(19521982)3月半ば、その近く(徒歩30秒~1分ほど)にあるラーメン屋「松葉」にお邪魔しました。若き日の漫画家諸氏が通ったとされる同店で、迷わずラーメンライス(正式名称は「トキワ荘ラーメンライス」)を頼みました。「ラーメン大好き小池さん」(モデルは鈴木伸一さんといわれています)がよく食べていたラーメンです。

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旧店舗。撮影時期は不明だが、
「らーめん45円」とあるので創業間もない1950年代か


店内の壁には、著名な漫画家による色紙が所狭しと30枚ほど貼られてあります。それらを眺めながら待つこと78分。おばちゃんが、しょうゆ味のスープとストレート系の中太麺を組み合わせたラーメンを運んできてくれました。これに、ゆで卵1/2、わかめ、メンマ、チャーシュー、それに刻みネギがわきを固めています。これにライス+たくわんが付いて700円。

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伝統を受け継ぐラーメンライス(700)
アルミトレーがいい雰囲気を醸し出している


 近年流行りの凝ったスープやこだわりの麺には目もくれず(
?)、素直な味を提供してくれるのがこの店の流儀。昭和30年代生まれのレポーターにとってはまさに「懐かしい味」といったところ。経営者が変わったこともあって、同店の正確な沿革は不明ですが、創業は1950(昭和25)頃とのことです。

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トキワ荘跡地に建つモニュメント(20123月建立)

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記念碑「トキワ荘のヒーローたち」(20094月建立)が建つ
南長崎花咲公園
(南長崎3-9-22)

トキワ荘を復元する「マンガの聖地としま
ミュージアム」
(仮称)の予定地でもある

 
 ゆっくり味わいながら
15分ほどして完食。水をおかわりし、「ごちそうさまでした」と言って横開きの扉を開けて小雨が降り始めた店外に。「かつて多くの漫画家たちは、この通り(通称・トキワ荘通り)一帯で暮らしていたんだなぁ、そんな感慨が浮かんできました。

 

・所在地=豊島区南長崎3-4-11

・営業時間=11:0015:0016:0021:00 定休日なし(要確認)

・最寄駅=都営大江戸線「落合南長崎」駅A1出口徒歩7分、西武池袋線「椎名町」駅徒歩10

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ショーケース内のメガカツカレー(模型)


 以前から気になっていたのが、練馬区役所職員食堂の「メガカツカレー」(720)。ギリシャ語で「大きい」といった意味をもつメガですが、単位としては106乗つまり100万倍というわけで、かなり巨大なカレーのようです。しかも安いのです。

 寒気につつまれた先日、ついに行ってきました。区役所西館の地下1階にある職員食堂に。ショーケースに並べてある「メガ」は、トレー(お盆)のような容器の大きさ。当方、身長160㌢台、体重50㌔台の小柄ながら、食は太い方だと思います。が、「完食できるかなぁ…」と思案しました。それでも、「時間をかければ完食でき、米粒ひとつ残すことはないだろう」と思い、券売機に1000円札を入れました。

 続いて、トレーを手に調理場のカウンターに。食券を確認したおばちゃんは「はい、メガカレーね」といって、しゃもじでご飯を大きな皿に盛り始めました。1回、2回、3回…と早くもてんこ盛り状態。まだ止める気配はないので、弱気になった私は「あっ、もうそのへんで…」とブレーキを促しました。まさに「敵前逃亡」です。

 しゃもじの手を止めたおばちゃんは、「それなら、大盛りにしたら」といって、嫌な顔ひとつせず別の皿を手に、手際よく「カツカレー大盛り」(570)に変更してくれました。差額も返してくれました。まさに神対応です。正午前ということもあって食堂は空いていたので、そのご好意に甘えさせていただきました。

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カツカレー大盛り。みそ汁付き

 広々とした食堂のテーブルに着き「いただきまーす」。一般の方も利用できる職員食堂という性格からか、カレールーは辛さ控え目の万人受けする味でした。豚カツもまずまずの厚みがあり、カリッカリッとした歯ごたえも感じられました。みそ汁は、煮干しで出汁をとったのか、とてもおいしい一杯でした。

さて、気になるボリュームですが、結論からいえば食べ始めて10分ほどした頃から、だんだんと満腹メーターが上昇。街中の一般的な「大盛り」に比べても重量感があるようです。

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「ごちそうさまでした。満腹です」


 別の機会に「メガ」に挑戦したいところですが、「大盛り」でも十二分。腹も身の内、無理は禁物です。ごちそうさまでした。そして、食堂のおばちゃん、有り難うございました。


【練馬区役所 職員食堂】練馬区豊玉北6-12-1 西館地下1

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練馬大根三種盛ご膳(かど36900)※提供:練馬区


「練馬の大根」か「大根の練馬」か、といわれるほどに有名な練馬大根。全国的に有名なのですが、残念なことに耕作面積の減少などもあって生産量が少なく、市場に出回るのはこの時期のみ。

そんな練馬大根を「手軽に食べてもらいたい」、そして「都市農業をもっと理解してもらいたい」ということで、このほど練馬区役所本庁舎20階の展望レストランや勤労福祉会館の和風レストラン「かど36」など練馬区内計8カ所のレストランが練馬大根を使った特別メニューの提供を始めました。

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練馬大根ステーキとネギトロ丼セット
(区役所本庁舎20階 展望レストラン、1,400)※提供:練馬区


 繊維質がしっかりしていて煮崩れしにくい、という特徴を生かしたメニューの数々。価格は
460(かけそば・うどん=練馬区役所西庁舎地下
1階 職員レストラン)6,000(練馬大根フルコース=レストラン「LUMIERE(ルミエール)まで。

なお、期間は「大根がなくなるまで」ということなので、大半は1カ月先にはメニューから消えてしまいそうです。お早めにお試しあれ。

 

≪特別メニューを提供しているレストラン≫

練馬区役所本庁舎20階 展望レストラン(豊玉北6-12-1

勤労福祉会館 和風レストラン「かど36」(東大泉5-40-36

光が丘体育館 カフェレストラン「われもこう」(光が丘4-1-4

和歌里(豊玉北5-16-12

ホテルカデンツァ光が丘ホテル棟1階(高松5-8 J.CITY

・中国料理「白楽天」

・日本料理「むさしの」

・レストラン「LUMIERE(ルミエール)

練馬区役所西庁舎地下1階 職員レストラン(豊玉北6-12-1

長野の人気ラーメン店「依々恋々」(いいれんれん)
東武・池袋本店に出店
1011日オープン、醤油ダレ+鶏=絶品スープのシンプルな味わい
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店舗外観

 全国にラーメン店を展開しているBOND OF HEARTS(ボンド・オブ・ハーツ、本社=長野県長野市)1011日、東武百貨店池袋本店のレストラン街13階にラーメン店「中華そば 依々恋々」をオープンしました。

 今年2月に開業した長野市内の店舗に続く2号店。10日には一足先に試食できると聞いて、お昼時に伺いました。頼んだのは「店長一押し」という中華そば(780)。待つこと約5分。テーブルにのったどんぶりからは湯気とともに醤油の香りが漂い食欲を刺激します。

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醤油+鶏のシンプルな味わいだが、素材にはこだわり
 
 まず、スープから…。口に広がる醤油の風味、といっても醤油の味がその辺のラーメン店とちょっと違う。資料を見ると、「生醤油をベースに信州の溜まり醤油と極上再仕込み醤油の3種類の醤油と丸鶏、赤鶏など100%鶏だけで仕上げた、素材の旨さ溢れる…」と書いてありました。

 要はプレミアム級の醤油と鶏をベースにしたシンプルなスープなんです。そのスープの美味しさに気を取られるあまり、自家製ストレート麺の良さに気が付きませんでしたが、軟らかい割にはモチモチ感があることは確かです。食後にお店で聞いたところ、信州小麦を使用するなど、素材に徹底的にこだわっているとのことでした。

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「絹のようなのどごしとモチモチ感」を追究


 スープ+麺を引き立てる具材は、きざみネギをはじめ、鶏肉、チャーシュー、それに珍しい紫玉ねぎ()。これら脇役陣に“手抜き”はないといえます。気がつけば10数分で完食。残ったスープにご飯を入れたらおいしそう…なんて思ってしまいました。

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「ごちそうさまでした」

 
 メニューはほかに、特製中華そば(950)、鶏としそつけ麺(950)、恋玉そば(880)、チャーシュー肉そば(1,100)など。子供向けのちびっこ麺(350)などもありますよ。

 食後、入社2年目の若き宮﨑瞳店長にお話を伺いました。たまたま自社のラーメンを食べたところ、あまりの美味しさに感動して転職し、この道に入ったとのこと。「幅広い年齢層の方々に来ていただきたいですね」と目を輝かせていましたが、店長の人柄のような()優しい味だけに、多くのお客さんでにぎわうとの予感がします。
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「優しい味」を引き出す宮﨑店長

【店舗情報】
「中華そば 依々恋々」
・東武百貨店池袋本店 レストラン街スパイス13
・面積/席数 66平方㍍/26(テーブル&カウンター)
・営業時間 11:0022:00(ラストオーダー 21:30
・定休日    施設に準ずる

アジフライ付き520円定食を注文、コスパ最高!

ごはん600g+からあげ30個の定食あり



 こんにちは!様々な街の食事処を巡る不定期連載。第3回は豊島区役所から67分にあるからあげ専門店「天下鳥ます」です

 夏の猛暑も、
9月半ばを迎えた今となっては“懐かしい”感じさえいたします。とはいえ、疲れの出やすい季節だけに、体調管理は怠りなくしたいものです。

 そこで、美味しいものを食べようと、豊島区役所での取材の帰途、「天下鳥ます」に一直線…。「池袋東口店」で持ち帰りの「特製からあげ弁当」にしようと一瞬思ったけれど、その近くにある「からあげ酒場(池袋東口店)」に向かいました。

 このあたりは、行列のできるラーメン店や新興勢力のローストビーフてんこ盛りの店など、ランチの激戦区。いい香りも漂うし、若い店員の掛け声も聞こえてきます。それでも浮気心を封印して、「からあげ酒場」のあるビル2階に駆け上がりました。

 メニューをご紹介しましょう。定番の「からあげ定食」(520円)をはじめ、「コロから」(からあげ3個+コロッケ1個ほか、520円)、「魚フライとからあげ定食」(からあげ3個+白身魚フライ1枚ほか、520円)、「からあげタルタル丼セット」(500円)などいろいろ。驚きなのは、「超鬼スペシャル定食」(ごはん600g、からあげ30個、魚フライ、みそ汁、ポテサラ大盛り、キャベツ大盛り、小鉢付き、1,380円)。

 そんな中から「アジフライとからあげ定食」を注文。ごはん200g、からあげ3個+アジフライ1枚、それに、ほかの定食同様、みそ汁、ポテサラ、キャベツ、小鉢がついて520円です。アジフライやポテサラはそんなに大きくないものの、ワンコイン+20円にしては良心的な内容です。


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大満足のアジフライとからあげ定食(520円)



 からあげ専門店だけに、からあげは当然おいしい。いわゆるジューシーな感じで、塩味も濃くなく優しい味でした。


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「ごちそうさまでした」今日も完食です


個人的には、サイズ感を求めるなら「八丁堀食堂」(中央区八丁堀)のからあげ定食、表面カリッカリッで塩味濃いめを求めるならタンメン専門店「トナリ」(千代田区、TOKIAビル)のからあげ(たんめんとからあげセットで「タンカラ」と呼ぶ)などがお勧めですが、コスパの点では天下鳥ますの得点はとても高いと思います。

 店舗は全40席。有名・無名?タレントの色紙が50枚くらい壁にびっしり貼ってあるのには驚かされました。周りのお客さんは、ワイシャツ姿の会社員風の男性がほとんどで、あとは学生風がちらほら。「超鬼スペシャル定食」をオーダーする人が現れないものかと期待していたのですが、とうとう出現しませんでした。

 「お前が注文しろ!?」。ごはん600g、からあげ30個…は無理です。

 

※「天下鳥ます」を経営するアジアンアキンド(本社・豊島区高田)の代表取締役、松井理悦さんのインタビュー記事は、『池袋15´6月号(通巻215号)に掲載されております。以下、一部抜粋します。

 

25歳のときに創業。商号に「天下取ったるでぇ」の意気込みを表し、国内に19店を展開。5年後にはフランチャイズ店も含めて「100店舗体制を築きたい」考え。海外市場の開拓にも意欲的で、昨年出店したカンボジア・プノンペンの2店に続き、今年3月にはタイ・バンコク店をオープンした。

※その後、93日に赤羽店(北区赤羽西1-40-1 )をオープン

 美味しゅうございました!

【店舗情報】
「天下鳥ます からあげ酒場 池袋東口店」

170-0013 東京都豊島区東池袋1-23-5-1 新大同ビル2

営業時間 11:0024:00(ラストオーダー フード 23:15/ドリンク23:30

定休日  無休(2017911日現在)

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