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生まれ変わる池袋西口公園の完成イメージ(提供:豊島区)



 豊島区は96日(水)、高野之夫区長の月例記者会見を区庁舎で開き、「池袋西口公園」を大改修し、クラシックコンサートや演劇などに使用することができる“劇場公園”を創出すると発表しました。お隣の東京芸術劇場(4劇場)に続く「第5の劇場」と位置づけ、芸術劇場と連携を図る考えです。

 計画書を提出した8社の中から、三菱地所設計・ランドスケープ・プラス共同企業体(代表企業=三菱地所設計)の案が選ばれ、同企業体を受託事業者として選定。提案された計画によると直径約40㍍の円形スタイルを基本とし、外周に高さ611㍍の6連のリングを設置。中央部のステージ(直径13㍍)上には屋根を取り付け雨天時に対応。最大収容人員は1,500名を想定しています。

 来年8月までに基本・実施設計を終え、20191月に着工し、11月をメドに開園。事業費については現段階では「未定」としていますが、高野区長は「かなりの金額になる。経済効果も期待でき先行投資になる」と話しています

 区では現在、昨年4月にリニューアルオープンした南池袋公園に続き、中池袋公園(2019年リニューアルオープン予定)、造幣局跡地に予定している新公園(2020年オープン予定)の整備計画を進めています。今回の西口公園を加えた「池袋駅4公園」を「まちづくりの中心とし、新たな文化・にぎわいの拠点とする」(高野区長)考え。区では電気自動車(EV)型のバス運行の計画も浮上していますが、この4公園を巡回させることも検討する方針です。

 今回の公園の整備で、問題点もいくつか見えてきました。具体的には、①複数の劇場を設ける東口の「ハレザ池袋」の整備が進むなか、劇場の需要に対してオーバーキャパシティーにならないのか、②音楽コンサートでの活用を想定しているが、小屋根を整備するものの屋外型のため雨天時の使用は厳しいのではないか、③多様な人々が集う公園本来の機能が損なわれてしまうのではないか、といった点です。

 公園が整備されることに異存のある人は少ないでしょう。だからこそ、こうした課題については計画・運用段階でていねいな説明が必要になってくると思われます。

(『池袋15´10月号 「今月のニュース」でも掲載予定=内容は一部異なります)